このような疑問や悩みにお答えします。
「ダイエットしてるのに運動も食事も頑張っているのになかなか痩せない」という方は、睡眠が関係しているのかもしれません。
運動や食事は今まで通りでも睡眠さえしっかりとれば痩せれるとすればやってみる価値はありそうですよね。
もっと睡眠時間を確保したいけど仕事や家事に追われて、いつも睡眠不足という方は多いと思います。
また睡眠といっても睡眠は「量」より「質」が大切になってきます。
✔️この記事の内容
・睡眠不足とホルモンの関係
・短時間睡眠でも質のいい睡眠であればいい
・質のいい睡眠をとるには
・まとめ
是非この機会に自分の睡眠を振り返り、改善点を見つけて改善しダイエットを成功へと近ずけていただければと思います。
では早速みていきましょう。
目次
痩せやすい睡眠のとり方について
睡眠と肥満の関係
体重が減少するのは、エネルギーの摂取に対して消費が勝ったときに起こります。
ここで気になるのは、普通に考えれば睡眠時は活動量が少ない分エネルギー消費量が少なく、起きているときは活動量が多い分エネルギー消費量が多くなります。
つまり睡眠時間が短い分、活動時間が長くなるためエネルギーの消費量が増えるので痩せ、逆に睡眠時間が長い分、活動時間が短くなるので痩せにくくなると考えられそうです。
しかし実際行われた研究では、睡眠時間が7~8時間の場合が最も肥満が少なく、それより短くても長くても肥満が増えるという結果が出ています。
ではなぜこのような結果になったのでしょうか。
なぜ短時間睡眠は太りやすいのか
痩せるには深部体温が関与しています。
深部体温が高いというのは、代謝が高い状態ですので痩せやすくなります。
深部体温と睡眠時間の関係を調べると、短時間(3.5時間)睡眠の場合も通常(7時間)睡眠の場合も夕方から夜にかけて深部体温は徐々に下がり、そして朝から夕方にかけて上がります。
しかし短時間(3.5時間)睡眠の翌日は、朝から夕方にかけての深部体温が低くなります。
体温が低いということは代謝が低い状態です。
脂肪分解酵素であるリパーゼは体温が低いと働きが悪くなり、短時間(3.5時間)睡眠を繰り返すことで脂肪が燃えにくくなり痩せにくくなるのです。
睡眠不足とホルモンの関係
グレリン
胃から分泌されるホルモンに「グレリン」というホルモンがあります。
そのグレリンが視床下部の食欲中枢に空腹状態の指令を送り食欲を増進します。
しっかり食べて、栄養を摂取したはずなのにこのグレリンの作用によって空腹を感じて必要以上に食べてしまうということが起こってしまうのです。
レプチン
レプチンは脂肪細胞で分泌されます。
脳の視床下部にある食欲中枢に満腹という指令を送る役割をしています。
レプチンが分泌されると食欲が抑えられます。
早食いをしてしまうと、このレプチンが分泌されないまま次から次へと食べてしまうため太ってしまいます。
逆にゆっくり、よく噛んで食べるとレプチンが分泌されて、それほど量を食べなくても満腹感が得られます。
このグレリンとレプチンの関係が睡眠不足と肥満の関係に大きく関与します。
米・スタンフォード大学の研究では、睡眠時間が5時間の人よりも8時間の人のほうがレプチンが15%減って、グレリンの分泌は15%増えたという結果が報告されています。
そのため睡眠不足の状態で食事を摂るとレプチンの分泌が減るため、なかなか満腹を感じられず食べすぎてしまったり、グレリンの分泌の増加のため空腹感を感じやすくなり太るという悪循環に陥ります。
成長ホルモン
成長ホルモンには筋肉を成長させたり、肌や骨などの合成や再生を促進してくれます。
さらに成長ホルモンには脂肪を燃焼させる効果もあるのです。
成長ホルモンは睡眠中に分泌が促進されます。
以前は22時〜2時の間に成長ホルモンの分泌が高まるとされてきましたが、現在では時間帯に差はないことがわかっています。
大切なのは質のいい睡眠で、睡眠の長さと深さになります。
成長ホルモンのほとんどは眠りについてから3時間以内に分泌されます。
特に最初の90分間に迎える深い眠りであるノンレム睡眠の時にピークになります。
つまり、成長ホルモンの分泌を良くさせるには、少なくとも3時間以上の質のいい睡眠とその間にぐっすりと深く眠れていることが重要です。
コルチゾール
成長ホルモンの分泌を阻害するのが、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールです。
コルチゾールは、ストレスがかかると分泌されます。
コルチゾールの作用は血糖値や血圧を上げ、免疫を調整するなどの働きがあります。
また起床ホルモンとも呼ばれ、起床の1時間前に自動的に分泌され、ブドウ糖を肝臓に蓄えることで目覚めをサポートし日中の活動に備え、起床後すぐに活動できるようにしてくれる働きもあります。
しかし、ストレスが溜まった状態や睡眠不足の状態だとコルチゾールが分泌され寝られなかったり、眠りも浅くなってしまいます。
更に成長ホルモンと似た働きを持つために、起床の1時間前に自動的にコルチゾールが分泌され始めると体のフィードバック機能が働いて、成長ホルモンの分泌を抑制してしまいます。
コルチゾールの影響を受けないようにするためには、寝る前はできるだけリラックスし、ぐっすり眠ることが大切です。
このことからも睡眠時間をしっかりと確保し、成長ホルモンの分泌を促し、コルチゾールの分泌を抑制することで肥満を解消したり、肥満になりにくくなるというわけです。
短時間睡眠でも質のいい睡眠であればいい
最初に7時間睡眠はとったほうがいいとお伝えしましたが、ただ7時間睡眠をとるだけではなく、より質のいい睡眠をとることが重要です。
最近では、睡眠は「量」よりも「質」と言われるようになってきています。
では実際、質のいい睡眠とはどのような睡眠でしょうか。
人の眠りには「レム睡眠」(脳は覚醒していて体は眠っている状態)と「ノンレム睡眠」(脳も体も眠っている状態)の2種類があり、それを周期的に繰り返しながら眠っています。
質のいい睡眠というのは、最初のノンレム睡眠をいかに深くするかということが大切になってきます。
この最初のノンレム睡眠で深く眠ることができれば、その後の睡眠リズムが整い、自律神経のバランスやホルモンの働きが良くなります。
その結果、翌日の体調が良かったり、いつも以上に仕事や運動のパフォーマンスがあがったり代謝が上がって痩せやすくなったりします。
逆に最初のノンレム睡眠で深く眠ることがでないと、その後の睡眠も悪くなります。
そのため、いくら長時間寝ても「眠い」「体がだるい」「体調が優れない」ということになってしまいます。
よって睡眠時間を増やすのが、難しいという方でもこの睡眠の質をあげるということで睡眠不足を解消し代謝を上げ痩せることが可能となるのです。
質のいい睡眠をとるには
お風呂に入る
質のいい睡眠をとるのに、大切なことは深部体温を下げて皮膚温度との差をなくすことです。
まず体温には、体の内部の体温「深部体温」と、手足の温度「皮膚温度」の2つがあります。
普段は深部体温は日中高くて夜間に低くなります。
皮膚温度はその逆で昼に低く、夜間に高くなります。
この睡眠前に深部体温が下がることで、睡眠へのスイッチになります。
この時に深部体温をしっかり下げて皮膚温度との差をなくすことが、質のいい睡眠につながります。
その深部体温を下げるには睡眠の90分前の入浴がおすすめです。
入浴することにより一度、深部体温をあげるとその後、深部体温は下がろうとするのでその深部体温が下がった時に眠るのが質のいい睡眠につながるのです。
適切な部屋の温度を保つ
入浴後や睡眠中の室温の調整も大切です。
夏にエアコンをガンガンかけて体を冷やしすぎると、皮膚温度が下がりすぎてしまい体が冷えすぎて睡眠が妨げられます。
逆に体を冷やしてはいけないということで汗だくで寝苦しいのを我慢したりすると、大量の汗で熱放散が過剰に起きてしまい体温を下げてしまうので、これも体を冷やしすぎてしまいます。
冬は室温が低くて体が冷えすぎると、血流が悪くなり熱放散が起こりにくくなりこれも睡眠にはよくありません。
適温は個人差があり、地域や住居環境によっても異なりますが、目安では室温27°くらいを保つのがいいでしょう。
脳をリラックスさせる
睡眠前にスマホやテレビを見たり、過度な運動をすると脳が興奮し覚醒状態になってしまいます。
遅くても睡眠時間の1時間前には、そういった脳が興奮するようなことは避け、できるだけリラックスするようにしましょう。
「難しい教科書や本を読むと急に眠くなる」「授業中、先生の話を聞いていると眠くなる」といったことは多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
これは脳が働かず、リラックスモードに入っているので睡魔が襲ってくるのです。
逆に激しい運動や、ホラー映画を観ると脳が興奮してなかなか眠りにつくことができず質のいい睡眠をすることができません。
脳をリラックスするには、あまり何も考えずに単調なことをするのがいいとされています。
例えば脱力してストレッチをしたり、リラックスできる音楽を聴いたり、興奮しないような本を読むといいでしょう。
睡眠の時間を決めておく
人は体内にリズムを持っていて、あらゆる習慣の繰り返しで生きています。
朝起きるとトイレに行きたくなったり、寝る前にトイレに行きたくなるのはそういった体内リズムの習慣からきています。
睡眠時間もできるだけ、一定に決めておくことで眠りにも入りやすくなります。
また次の日が早起きしないといけないからといって、いつもより早い時間に寝ようとするのも質のいい睡眠をとるという意味ではよくありません。
無理に寝ようとすると逆に眠くならず、返って睡眠を妨げます。
そだけではなく、布団に入ると逆に覚醒してしまうという間違った習慣がついてしまう恐れもあるので要注意です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
睡眠と肥満の関係は奥が深いことがお分かりいただけたかと思います。
また寝不足というのは単純に睡眠時間が短いことだけが問題ではなく、質のいい睡眠をとれるかがとても重要になります。
一番は睡眠時間を確保した上で質のいい睡眠をとることですが、睡眠時間は変わらなくても質のいい睡眠がとることができれば痩せることも可能ということです。
「睡眠時間がしっかり確保できるという方」も「仕事や家事で睡眠時間を増やすことは無理という方」も、ぜひ睡眠の質をよくするように心がけてみてください。