乳製品やプロテインを食べたり飲んだりすることで、お腹を壊してしまうといったような経験をしたことがある方もいると思います。
それはもしかすると乳糖不耐症が原因かもしれません。
今回はそんな乳糖不耐症について詳しくみていきたいと思います。
また乳糖不耐症でプロテイン選びをお困りの方に、乳糖不耐症でも飲めるプロテインをご紹介していきますので是非参考にしてみてくださいね。
乳糖不耐症とは
概要
乳糖不耐症は酵素のラクターゼが欠乏し乳糖が消化できない状態のことです。
ラクターゼの活性が低いと乳糖を含んだ食べ物や飲み物が運ばれてきても、乳糖を分解できずに吸収できません。
その結果、腸管に乳糖が残ってしまうことで様々な症状が発生します。
またラクターゼの量は個人差があり、子供の頃から乳製品を多く摂取していた人ほど多いとされています。
そのため乳糖の摂取許容量にも個人差がみられ、乳糖不耐症であっても許容範囲内の量の摂取であれば自覚症状が出ません。
原因
乳糖不耐症の主な原因は、小腸にラクターゼが存在しないか存在してもその量が不十分なために、乳糖を分解できない、もしくは十分に分解できないことが原因で起こります。
その中でも乳糖不耐症の原因は3つあります。
先天的にラクターゼを持っていない、もしくは不足している場合
この場合は出生、間もない頃から下痢や消化不良の状態が続きます。
消化酵素を服用したり、乳糖が入っていないミルクなどを飲むことで症状の改善が期待できるようです。どちらにしても早めに専門医に受診したほうが良いでしょう。
風邪などのウイルスが原因で腸炎などが起こりラクターゼが減少してしまう場合
風邪などにより下痢や消化不良を起こしてしまっている場合は、その原因となっている疾患そのものが治れば自然と下痢や消化不良の症状も治まります。
加齢によりラクターゼが減少してしまった場合
ラクターゼは乳児期にもっとも活性が高くなっています。そして年齢を重ねると徐々に低下していきます。個人差がありますが、一般的に大人になるにつれて徐々に酵素の活性が低下し乳糖を含む食物を摂取すると腹痛や下痢をする人が増えてくるようです。
症状
幼児では乳糖を含む食物を摂取すると、下痢を起こします。
またその影響で体重がなかなか増えないといったこともみられます。
成人になってくると、腹痛や下痢、腹部の膨満感、痙攣痛、吐き気などがみられることがあります。
ひどい下痢の場合は栄養素が排泄されてしまい、適切に吸収されないということも起きます。
乳糖を摂取した数時間後にこのような症状がでると、乳糖不耐症を疑ったほうがいいでしょう。
また乳糖不耐症に似た症状の病気も多いので鑑別が必要です。
牛乳アレルギーや急性胃腸炎、過敏性腸症候群は乳糖不耐症の症状のように下痢や腹痛、腹部の膨満感などがみられます。
急性胃腸炎などでは消化酵素であるラクターゼが減少してしまうので、結果的に乳糖不耐症になってしまうことがあるので注意が必要です。
やはり自分で勝手に決めつけずに、早期に専門家の診断を受けるのがいいでしょう。
治療
治療は大きく分けて2つです。
1つ目は乳糖の入っている食物を避けることです。
まず先天性のものは現在のところ体に乳糖分解酵素を作り出させる薬はありません。
後天性のものであれば、原因となっている胃腸炎の症状が治まれば、やがて乳糖不耐症も治っていきます。
それを踏まえてみていきましょう。
先天性の乳糖不耐症で乳児の場合は無乳糖ミルクを摂取するといいでしょう。
無乳糖ミルクは、通常の育児用のミルクと違って乳糖を除いてある製品です。
乳糖を含んでいないので、乳糖不耐症による症状を引き起こすことがありません。
ほかの栄養成分は同程度に含んでいるので栄養面も安心です。
最近のスーパーでは乳糖を控えている、製品も多く販売されているのでそういったものを選択するのもいいでしょう。
ヨーグルトにも乳糖が含まれていますが、ヨーグルトには乳酸桿菌(かんきん)が産生する天然のラクターゼが含まれているため比較的ヨーグルトは大丈夫なことが多いです。
またチーズに含まれる乳糖の量も牛乳に比べると少なめなので、乳糖不耐症の症状は出にくいとされています。
2つ目はラクターゼやβ-ガラクトシダーゼのサプリメントを摂取することです。
ラクターゼはβ-ガラクトシダーゼとも呼ばれ乳糖を分解できる酵素です。
β-ガラクトシダーゼ製剤は乳糖不耐症に対して処方される医薬品でもあります。
水やぬるま湯に溶いて飲むといいでしょう。
酵素は高温にさらされると変化して作用が弱まってしまうと考えられています。
よってあまり高温のお湯に溶かしたりなどは注意してください。
またそれに加えカルシウムのサプリも摂取しておくほうがいいでしょう。
理由は乳製品の摂取が減少すると、カルシウムの摂取量も減少して欠乏症になってしまう恐れがあるので、サプリメントから摂取するのがいいでしょう。
プロテインの種類
・ホエイプロテイン
ホエイプロテインとは牛乳に含まれるタンパク質の一種で、ホエイとは乳清のことをいいます。
体内への吸収が早く、筋肉の成分であるアミノ酸を多く含んでいます。
普段トレーニングや運動をしている方におすすめです。
トレーニング直後は、破壊された筋肉の回復のために体が栄養を欲している状態であることからもホエイプロテインを摂取することがおすすめです。
・カゼインプロテイン
カゼインプロテインはホエイプロテインと同じく牛乳を主成分とするプロテインです。
ホエイプロテインが吸収が速いのに対し、このカゼインプロテインの吸収は緩やかです。
そのため寝る前や、空腹時の間食として摂取するのがおすすめです。
・ソイプロテイン
ソイとは「大豆」のことでソイプロテインは、ホエイプロテインやカゼインプロテインと違い主成分が大豆です。
植物性タンパク質で価格もホエイプロテインやカゼインプロテインと比べると割安です。
また吸収も緩やかなため、就寝前や間食におすすめです。
難点は水に溶けにくいことと味がホエイプロテインやカゼインプロテインと比べるとやや劣ります。
それでも一昔前と比べると、かなり飲みやすくなっています。
また大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンである「エストロゲン」と似た作用が期待できるので、女性には特におすすめです。
製法別でみる乳糖不耐性でも飲めるプロテインとは
ソイプロテインは主成分が大豆ですので、乳糖不耐症の方でも問題なく飲めます。
ただ一般的にトレーニングをしている方の間でよく飲まれるのは、ホエイプロテインだと思います。
実はそのホエイプロテインの中でも乳糖不耐症の方でも安心して飲めるプロテインがあります。
ホエイプロテインには精製の方法に違いがあり3つに分けられます。
WPC製法(Whey Protein Concentrate)
WPCは濃縮乳清タンパク質といって、原料になる乳清を膜処理して作られます。ろ過して得られた液体を濃縮する際、乳糖が残りやすくなってしまいます。そのため乳糖不耐症の方が飲むとお腹をくだしてしまうことがあります。プロテインに含まれるタンパク質含有量は80%程度です。
WPI製法(Whey Protein Isolate)
分離乳清タンパク質といって、イオン交換法とも呼ばれます。タンパク質以外の成分を除去するため高濃度のホエイタンパク質が作られます。このWPI制法で作られたホエイプロテインには乳糖の含有率も非常に低いため、乳糖不耐症の方にも飲みやすくなっています。プロテインに含まれるタンパク質含有量は90%程度です。加工工程が複雑なためWPCに比べると少し価格は高めになります。
WPH製法(Whey Protein Hydrolysate)
加水分解乳清タンパク質といって、タンパク質をペプチド状にさらに細く分離した状態のプロテインです。プロテインに含まれるタンパク質含有量は95%程度とかなり高くなっています。価格もWPIよりさらに高額になっています。
乳糖不耐症の方におすすめなのはWPI製法かWPH製法になります。
その中でもおすすめのプロテインの商品をご紹介
1バルクスポーツアイソプロ
2GOLD’S GYM ホエイプロテイン プラス ペプチド&ビタミンB
3Optimum Nutrition社 ゴールドスタンダードホエイ100%
まとめ
いかがだったでしょうか。
乳糖不耐症の原因から、乳糖不耐症の方におすすめのプロテインまでご紹介させていただきました。
乳糖不耐症の方は、症状の違いはあれどかなり多くの方にみられます。
また原因によって対処法は変わりますが、治療では乳糖分解酵素を作り出すことは困難なことから、乳糖は避けて栄養を摂取するほうがいいでしょう。
筋トレをしている方であれば、プロテインを使って効率良くタンパク質は摂取したいですよね。
プロテインは今回ご紹介したものを、是非とも参考に摂取していただければと思います。
この記事が悩みを解決するお手伝いになれば幸いです。