【トランス脂肪酸とは】トランス脂肪酸とは何か?体に悪いと言われる理由は?

トランス脂肪酸という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

健康に関心のある方ならトランス脂肪酸は体に悪いという情報を耳にしたことがある方もいるでしょう。

今回は、そのトランス脂肪酸について説明していきたいと思います。

「そもそもトランス脂肪酸ってなに?」
「体にどんな影響があるの?」
「どんな食品に含まれているの?」

などの疑問を解消していきたいと思います。

では早速みていきましょう。

トランス脂肪酸とは

脂肪酸ってなに?

そもそも「あぶら」と呼ばれるものには、個体の「脂」と液体の「油」があります。

これらを合わせて油脂と呼びます。

脂肪酸はこの油脂を構成する一部分です。

脂肪酸の種類

脂肪酸には鎖の長さや炭素間の二重結合の数と位置によって種類が分かれます。

炭素間に二重結合がないものを飽和脂肪酸といい、二重結合があるものを不飽和脂肪酸といいます。

不飽和脂肪酸には二重結合の炭素に結びつく水素の位置でトランス型とシス型の二つに分かれます。

シス型の不飽和脂肪酸は牛肉や乳製品などの天然のものにみられます。

トランス脂肪酸は常温の液体の植物油や魚油を個体にする過程で発生する脂肪酸です。

トランス脂肪酸を含む食品

トランス脂肪酸を含む食品には、マーガリンやショートニング、ファットスプレッドなどがあり、それらを使ったパンやケーキ、ドーナッツなどの洋菓子やフライドポテト、唐揚げなどの揚げ物、スナック菓子にも含まれています。

スーパーやコンビニで商品を購入する際は、栄養成分表のマーガリン、食用植物油、加工油脂、ショートニング、ファットスプレッドとの記載があるものはトランス脂肪酸が含まれているので注意が必要です。

またスナック菓子やクッキーなどのようにサクサクした食感もトランス脂肪酸によるものです。

このように私たちの身近な食材にトランス脂肪酸は含まれているのです。

なぜトランス脂肪酸に注目が集まったのか?

2013年11月7日、アメリカの食品医薬品局(FDA)がトランス脂肪酸の使用を全面的に禁止する方針を発表したことから注目を集めるようになりました。

欧米では1950〜1960年頃に、トランス脂肪酸を含む食品のマーガリンの使用の増加と冠動脈心疾患の増加の時期が一致し、マーガリンの過剰摂取と心疾患の増加の関連が懸念されるようになりました。

その後、各国で研究が進められトランス脂肪酸と心疾患の関連性が明らかになったのです。

トランス脂肪酸が体にもたらす影響とは

トランス脂肪酸はLDL(悪玉)コレステロールを増加させ、HDL(善玉)コレステロールを減少させます。

その結果、動脈硬化などの虚血性心疾患のリスクが高くなるといわれています。

また内臓脂肪量の増加や、トランス脂肪酸は胎盤を通して胎児に移行することから必須脂肪酸などの胎児の成長に必要な栄養の代謝を妨げ、未熟児になる可能性もあります。

その他にも、ガンや糖尿病、アレルギーとの関連性も疑われていますが、まだ明らかにはなっていないようです。

トランス脂肪酸はどれくらいなら摂取してもいいか

WHO(世界保健機関)とFOA(食糧農業機関)の専門家会合(2003年)では、心臓血管系の健康を考慮すると食事からのトランス脂肪酸の摂取はできるだけ抑える必要があり、最大でも1日あたりの総摂取エネルギー量の1%未満に抑えるように勧告されています。

日本人が1日に摂取するエネルギーの平均は1,900kcalといわれており、この場合だと1日に約2g未満に抑える必要があります。

日本では脂質に関しては、総脂質、飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の摂取の目標量や目安量は定められていますが、トランス脂肪酸の目安量は定められれいません。

実際に私たちはどれくらいのトランス脂肪酸を摂取している?

様々な調査によると日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は1g程度であることがわかっています。

しかし、当然ですが個人差があることですので普段からマーガリンを使ったり、パンや洋菓子をよく食べる習慣のある人はトランス脂肪酸を摂取しすぎている可能性があるので注意が必要です。

アメリカでは全面禁止に!日本では?

2018年6月にアメリカでトランス脂肪酸を含む「部分水素添加油脂」の使用が原則禁止されました。

日本では今のところ、禁止にするといった動きはありません。

これは日本人のトランス脂肪酸の摂取量がアメリカなどと比べ少ないため健康への影響は少ないとみられているためのようです。

日本で暮らす私たちはどうすればいいか?

日本での規制はないものの、普段のトランス脂肪酸の摂取が多い人は気をつけたほうがいいでしょう。

以前に比べ日本の食事も欧米化が進んで、昔以上にパンや洋菓子、揚げ物を食べる機会は増えています。

できるだけマーガリン、食用植物油、加工油脂、ショートニング、ファットスプレッドが含まれている食品は避けるようにすることが望ましいといえます。

まとめ

ここまでトランス脂肪酸についてまとめましたが、いかがだったでしょうか。

トランス脂肪酸は私たちの身近な食品に含まれています。

パンや洋菓子、揚げ物が好きな方は多いと思います。

これらを過剰に摂取し続けると健康によくないイメージはなんとなくおわかり頂けるかと思います。

ただ無理にトランス脂肪酸を減らそうとすると飽和脂肪酸など他の脂質の摂取が増えるリスクもあります。

大切なのは、極端な食生活を避けバランスのいい食事を心がけることです。

そういった観点からいっても和食はとても栄養バランスの考えられた食事です。

普段の食事が洋食や中華に偏っているという方は、ぜひ積極的に和食を取り入れるようにしてみてください。

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パーソナルトレーニングジム「 The Body Professional 」を経営。小学生から高齢者まで年間延べ2000人のダイエットや体作りをサポート。ダイエットに成功する人が必然的にやっているルールを実践するだけで気付いた時には痩せている。そんな状態を作り出す『ベストスタイルダイエット』を全国に広めるために活動中。ブログ以外でもオンラインでダイエットサポート中。
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