ドーパミンという言葉を聞いたことがある方も多いと思いますが、そのドーパミンの働きを詳しく理解している方は多くはないのではないでしょうか。
この記事では、
「ドーパミンって何?」
「ドーパミンとはどんな働きをするの?」
「ドーパミンの分泌を増やす方法ってあるの?」
などの疑問を解消できるよう、ドーパミンについてまためましたので、ぜひこの機会にドーパミンについて知っていただければと思います。
では早速みていきましょう。
目次
ドーパミンとは
ドーパミンとは、神経伝達物質の一つでセロトニン、ノルアドレナリンと並んで三大神経伝達物質のうちの一つです。
そのほかにも、アセチルコリンやアドレナリン、GABA(ギャバ)も神経伝達物質に含まれます。
神経伝達物質の働きは、大きく分けると3つに分けることができます。
覚醒系:脳を興奮状態にさせることで、やる気や集中力を高めてくれます。
抑制系:興奮状態を抑制してくれます。心や体をリラックスさせた状態にします。
調整系:覚醒系と抑制系の神経伝達物質の分泌量のバランスをとってくれます。
この中でもドーパミンは覚醒系に分類されます。
ドーパミンは楽しみや幸福感、やる気やポジティブな思考、集中力などに影響を与えます。
ですので、分泌が低下すると何事に対してもやる気が出なかったり、モチベーションが湧かなかったり、集中力が無くなったりします。
このような症状がある場合はドーパミンの分泌が低下しているかもしれません。
ドーパミンを分泌するには
運動
ランニングや筋トレが好きな方は経験したことがあるかもしれません。
走っている最中や、筋トレしている最中に興奮状態になってきて時間も忘れるほど走ることや筋トレに夢中になっていた、というような経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
そのような時はドーパミンが分泌されている証拠です。
また達成感を感じることもドーパミンの分泌を促進します。
ランニングであれば「何キロ走れた」「何分で走れた」とか、筋トレであれば「何回できた」「何キロのオモリを持ち上げれた」などです。
そして自分の目標を達成するごとに、また新たな目標を立てて行くことにやる気やモチベーションが生まれドーパミンが常に分泌され続けます。
運動を習慣にし、ドーパミンを分泌させ続けると脳内のドーパミンの貯蔵量を増やすことも可能です。
大切なのはただ運動するだけでなく、何か目標を決めて運動するということです。
自分の好きなことをする
先ほどのランニングや筋トレをしていると夢中になれるのは、好きなことをしているという共通点があります。
運動はもちろん健康にいいのですが、好きなことでなければ興奮することはできませんし、夢中になることもできません。
自分の趣味や仕事、なんでもいいので好きなことに没頭している時間というのはドーパミンの分泌が促進されている時間です。
もし現在、自分の好きなことが何もなく、没頭できるものがないという方はこれから自分の好きなことを探すことからはじめてみて下さい。
ドーパミンの材料となる栄養を摂取する
ドーパミンはフェニルアラニンとチロシンから作られています。
これらはアミノ酸ですので、食べ物でいうと肉や魚、たまご、大豆などのタンパク質を摂取するといいということになります。
特にフェニルアラニンは必須アミノ酸で、体内で合成されないので食事からの摂取をこころがけましょう。
またそれらのタンパク質に加えビタミンB6を合わせて摂取することで、神経伝達物質の合成が促進されます。
しかし、タンパク質がいいからといってこればかりを摂取してしまっては、返って栄養バランスが悪くなり健康を損なう可能性もあるので、あくまでバランスのいい食事を心がけるのが大切と言えます。
ドーパミンの材料となるサプリを摂取する
クルクミン
クルクミンはスパイスなどに含まれるターメリック中の有効成分になります。
クルクミンはアミノ酸のように血液脳関門を通過することができます。
そのためドーパミンのレベルを高めることが期待できます。
L-テアニン
L-テアニンは緑茶の中に含まれる成分です。
L-テアニンは、他の神経伝達物質であるセロトニンやGABAと同時にドーパミンのレベルを増加させます。
L-テアニンは学習能力の向上、リラックス効果、集中力アップ、やる気や気分の向上をさせることができます。
チロシン
チロシンは体内でチロシン水酸化酵素(チロシンヒドロキシラーゼ)によって変換されてL-ドーパになります。
さらにL-ドーパがドーパ脱炭酸酵素で変換されることによってドーパミンが生成されます。
ドーパミンはいくらでも作れるものではない
ドーパミンをたくさん分泌したいからといって、サプリや食事から大量にドーパミンの材料を摂取したからといって大量に作られるわけではありません。
分泌量が減っている場合に、正常に近づけることができるということです。
ドーパミンの分泌をさらに高めたい場合は、運動や自分の好きなことをすることでドーパミンの貯蔵量を増やす効果があります。
ドーパミンの分泌方法を間違うと依存症になる
例えば、アルコールを飲んで気持ちよくなったりストレスを発散できたりします。
この時はアルコールを飲んで一時的に満足感を得ているので、ドーパミンが分泌されます。
しかし、このような方法で快感や満足感を得て、ドーパミンを増やしすぎるのは危険です。
アルコールが摂取できない場合はストレスとなりドーパミンの分泌が低下してしまいます。
脳は、一度経験した快感や満足感を海馬で記憶しています。
そして再びその快感や満足感を得るために、その経験を繰り返そうという衝動に駆られますが、それをすることができない場合にはストレスとなってしまいます。
ドーパミンを分泌し快感や満足感を得るために、アルコールやタバコ、ギャンブル、薬物に依存してしまうことも珍しくないのです。
間違った方法でドーパミンの分泌を得るのは大変危険です。
ドーパミンが減少する原因
ドーパミンが減少する原因として、コルチゾールというホルモンが大きく関与します。
コルチゾールはストレスを感じると分泌が促進されます。
このコルチゾールがドーパミンやその他の神経伝達物質の分泌を低下させ、脳の活発な活動を抑制してしまう一つの原因と考えられています。
その結果、何事にもやる気が出なくなったりモチベーションが上がらなくなってしまいます。
また腸内環境を整えることも大切です。
腸内環境が悪くなり、腸内の善玉菌が減少するとドーパミンを正常に生成できないといわれています。
腸内環境を整えるには、規則正しい生活を心がけたり、食事では食物繊維の豊富な食材を食べたり、乳酸菌やビフィズス菌の含まれたヨーグルトを食べるのがおすすめです。
食物繊維に関する詳しい記事はこちら
→【食物繊維の効果】食物繊維の多い食べ物を摂取するとこんなにもいいことが!
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ドーパミンの減少によって出る様々な症状
ドーパミンは私たちの体を動かすうえでも、非常に大切な役割を果たしてくれます。
歩く際に足を前に踏み出したり、物を取ったりする際に手を伸ばしたりする動作の運動の調節に関わるのもドーパミンによってコントロールされています。
このような働きをしてくれるドーパミンの分泌が低下することで、パーキンソン病という病気になったり統合失調症、ADHD(注意欠陥、多動性障害)などの精神障害に発展する恐れもあります。
パーキンソン病になると、手足の震えや幻覚、頭痛、抑うつ、睡眠障害、起立性低血圧、便秘など様々な症状が出ます。
ドーパミンは20歳をピークに高齢になる程、分泌が低下します。
これは高齢になる程、好奇心が薄れたり、何か新しいことにチャレンジするような習慣がなくなってしまうことも影響します。
歳を重ねても常に、自分の好きなことや情熱を注げることを見つけてチャレンジすることでドーパミンの分泌を促すことができます。
まとめ
ドーパミンに関する疑問は解消されましたか。
ドーパミンの働きは私たちの健康的な生活にとって欠かせないということがお分りいただけたのではないでしょうか。
またこの記事を読んで、「もしかしてドーパミンの分泌が少ないかも」と思われた方もいるかもしれません。
そのような場合は、ドーパミンの分泌を増やす方法。
・運動
・自分の好きなことをする
・ドーパミンの材料となる栄養を摂取する
・ドーパミンの材料となるサプリを摂取する
を試してみていただければと思います。
自分にあった方法でドーパミンを分泌し、心身ともに健康な体を手に入れましょう。