【むくみの原因と解消法】太って見えるのは実はむくみが原因だった?

朝起きた時や夕方に顔や足がパンパンになっていたことはありませんか。

今回のテーマであるむくみは多くの方が経験する悩みでもあります。

また「最近太ったな」と思っている方も、実はむくんでいるのが原因で太ったように見えていただけなんてこともあります。

むくみが引くだけで多い方では「5㎏も体重が落ちた」なんて方もいます。

むくみと一言にいっても原因は様々です。

まず自分がむくんでいるのか、また何が原因でむくんでいるのかをチェックし、むくんでいれば原因にそったむくみに対するアプローチをしてあげましょう。

今回はむくみの原因からチェックの方法や実際にむくみの改善の方法をご紹介していきます。

むくみの原因

心臓から全身に送られる血液は静脈を通じて再び心臓に戻ってきます。

ふくらはぎの筋肉が働くことにより血液を心臓に戻しています。

また静脈には逆流を防ぐ弁があり効率よく血液を心臓に戻す補助をしてくれます。

こうした機能がうまく働かないと足がむくんでしまいます。

むくみには様々な原因があります。疾患から引き起こされるものもあれば、単純に生活習慣が原因で起こるものもあります。

疾患からくるもの

心臓の疾患:心臓が血液を送り出す力が弱まるなど、心臓の機能が低下することでおこります。

腎臓や肝臓の疾患:血液中の水分量を調節するためにはタンパク質のアルブミンが必要になります。このアルブミンが肝臓や腎臓の疾患によって量が低下することによりむくみがおこります。

リンパ浮腫:リンパ浮腫とはリンパによるむくみのことです。リンパ液もリンパ管を通り全身を巡っていますが、このリンパの流れが悪くなってもむくみが生じます。

下肢静脈瘤:下肢には血液の逆流を防ぐための弁がありますが、この弁が正常に機能しなくなると血液が逆流し下肢に血液がたまってしまいます

生活習慣からくるもの

同じ姿勢からくるもの
同じ姿勢でいると筋肉のポンプ作用が機能しないためむくみが生じます。デスクワークや立ちっぱなしの仕事をする方は要注意です。

運動不足
普段あまり運動しない方は筋肉を動かす機会が少なく筋力も衰えます。こちらもポンプ作用が弱くなるためむくみの原因になります。

塩分の取りすぎ
塩分を摂りすぎると、細胞のナトリウム濃度が高まりそれを薄めるために水分を引き込もうとします。そのためむくみが生じるのです。

過度の飲酒
アルコールは利尿作用を持っているため、脱水状態となり水を体が必要とします。その結果必要以上に体内に水を溜め込みむくみが生じます。

冷え
血行不良がおこると十分な血液が末梢まで送られません。その結果心臓に戻るはずの血液が下肢で滞り冷えとむくみを引き起こします。

むくみ症状のチェック方法

むくみの状態を知るには生活習慣や食習慣を見直す必要があります。次の項目からいくつ当てはまるかチェックしてみましょう。次の10項目のうち1つでも当てはまるものがあればむくんでいる可能性があります。

□普段立ちっぱなしや座りっぱなしが多い。
□靴下を脱いだ時、靴下のゴムのあとが残ってなかなか消えない。
□朝起きたら枕のあとが顔に残ってなかなか消えない。
□普段運動しない。
□手足が冷えている
□味の濃いものを好んでよく食べる。
□週に3日以上お酒を飲む。
□甘いものをよくたべる。
□あまり汗をかかない。
□まぶたが腫れぼったい。

むくみの原因は様々ですが、それぞれに対処法があるので実践していただければと思います。

特に運動や生活習慣を変えることは今日からでも少しずつ変えることが可能ですのでできることから始めていただければと思います。

むくみ解消法〜運動編〜

ここではむくみを解消するための運動をご紹介していきます。簡単なものばかりですので、ぜひ自宅やオフィスで試してみてください。

ストレッチ

ふくらはぎ
足を前後に開き、後ろ足のかかとをしっかり地面につきましょう。

その際につま先がしっかり正面を向くように気をつけてください。

ふくらはぎの筋肉は「第二の心臓」と言われるほど血液を循環させるのに強力なポンプ作用を持っています。

このふくらはぎのポンプ機能が衰えると血液を心臓に戻せなくなり血液が足に滞留するためむくみの症状が引き起こされます。

そのためにもふくらはぎの筋肉の柔軟性は欠かせないのです。

太もも前
膝を曲げ、足首のあたりを持ちます。

かかとがお尻につくように意識してみてください。

太もも前の筋肉は鼠蹊部を超えてつながっています。

この鼠蹊部の周辺にはリンパが密集している箇所です。

リンパの流れが悪くなることでむくみも起きやすくなります。

特に座っていることが普段から多い方は常にこの鼠蹊部が圧迫された状態となるので注意が必要です。

太もも後ろ
膝を伸ばすことを意識してください。

片足ずつ行っていきます。

太もも後ろの筋肉は膝の裏へとつながっています。

この膝裏にも鼠蹊部と同じくリンパが密集しています。

やはりこちらも座っている時間が長いと常に圧迫された状態となるので注意が必要です。

しっかりほぐしてリンパの流れをよくしてあげましょう。

肩周り1
手を上げ、肘を曲げもう一方の手で肘をつかみます。

そのまま軽くひっぱり腕の外側から脇にかけてをしっかりと伸ばします。

脇の周りや鎖骨の周りにもリンパが密集していますので、しっかりほぐしてあげましょう。

肩周り2
両手を後ろで組んで上げます。

その際に肩甲骨を寄せて体が前傾し過ぎないように注意しましょう。

胸の前や肩甲骨の周りをしっかりほぐしていきましょう。

首回り
手を頭の上から回し、耳のあたりを持ちます。

そこからゆっくりと首を傾け耳下腺から首にかけてをしっかり伸ばしていきましょう。

この耳下腺もリンパの密集する部分です。

顔のむくみ大きく関与しますのでこちらもしっかりほぐしておきましょう。

指で軽く耳下腺のあたりをマッサージするのも効果的です。

エクササイズ

タオルギャザー
タオルを準備します。

タオルを床におきそのタオルを自分の足の指でたぐり寄せます。

足の指を動かす筋肉は足首を超え、ふくらはぎ周辺までつなっがているので指先を動かすのはとても大切なのです。

回数は30〜50回くらいを2〜3セット行うようにしてみてください。

つま先立ち
何か安定するものにつかまった状態で行い、両足でつま先立ちします。

下げたときはかかとが地面につく手前で止めましょう。これを繰り返し行います。

つま先立ちすることでふくらはぎの筋肉が動くのがわかると思います。

また両足でするのが慣れてきて簡単という方は、片足でやっていただいても構いません。
より負荷が強くなります。

ふくらはぎの筋肉をしっかり動かすことで血流が良くなりむくみが改善されます。

また冷え性の方にも効果的です。

回数は20〜30回くらいを2〜3セット行うようにしてみてください。

スクワット
まず足を肩幅より少し広めに開きます。

つま先は外側に八の字に開きます。

手は腰に当てるか、胸の前で組むようにしてください。

そのままお尻を下げていきます。

この時、膝が前方へ出過ぎないよう注意してください。

椅子に腰掛けるようなイメージで、腰を落としていくといいでしょう。

下げる目安としては太ももが地面と平行になるくらいまでしゃがんでください。

太ももの前後、お尻を使っているような感覚があればうまく出来ている証拠です。

スクワットは多関節運動といって一度の動作で多くの関節を動かします。

そうすることで下半身の大きな筋群を動かすので血流が良くなります。

回数は10〜20回くらいを2〜3セット行うようにしてみてください。

むくみ解消法〜食事編〜

むくみを解消させる食事はどのようなものを食べれば良いのでしょうか。

それを知る前にまずむくみを引き起こす原因となるものを知っておきましょう。

代表的なものは塩分(ナトリウム)です。

みなさんも塩分の濃いものを食べて喉が乾くといったことを経験したことがあるのではないでしょうか。

これは細胞のナトリウム濃度が高まり、それを薄めるため水分が必要となり喉が渇いて大量に水分を蓄えてしまうのです。

またアルコールの飲み過ぎもむくみの原因となります。

アルコールには利尿作用があり尿の回数や尿量が増えます。

そうすることでまた余計に水分を体が欲するため体内に水分を溜め込んでしまうのです。

そこでむくみの解消に効果的な栄養素が「カリウム」「サポニン」「ビタミン」です。これらが何に含まれていて、どんな作用があるかみていきましょう。

カリウム
カリウムはミネラルの1種にあたる栄養素です。
細胞の内の細胞内液という水分の中に存在しています。
また細胞外液にはナトリウムが多く含まれ、相互に作用しています。
この細胞外液中のナトリウム濃度が高まるとナトリウム濃度を薄めるために水分を引き込みむくみが発生します。
これを浸透圧と言います。
逆にカリウムはその浸透圧を一定に保つためナトリウムを汗や尿と一緒に体外へ排出しようとします。
カリウムがしっかり摂取できていることによってむくみの予防や改善に繋がるのです。
ではそのカリウムを多く含む食材をみていきましょう。
カリウムは海藻や芋類、豆類、野菜、きのこ類に多く含まれます。

・ひじき(100gにつき4,400mg)
・大豆(乾)(100gにつき1,900mg)
・アボカド(100gにつき720mg)
・ほうれん草(100gにつき690mg)
・里芋(茹で)(100gにつき560mg)
・舞茸(乾)(100gにつき2,400mg)
・しいたけ(乾)(100gにつき2,100mg)

またカリウムは水溶性で熱に弱く煮たり茹でたりすると水に溶け出してしまいますので調理方法にも注意が必要です。
極力、加工されていないものを摂取しましょう。

サポニン
サポニンとは植物の根、葉、茎に含まれる苦味やえぐみの元となる成分です。
サポニンには利尿作用がありこの利尿作用がむくみの改善につながります。
また抗酸化力も持っているため代謝を促進する働きもあります。
血中悪玉コレステロールを低下させる働きを持つため動脈硬化や高脂血症を予防してくれます。
ではそのサポニンを多く含む食材をみていきましょう。

・大豆
・高麗人参
・黒豆
・ごぼう

サポニンは健康維持や予防に役立つ成分とされていますが、食事摂取取扱基準2015には摂取量は示されていません。
またサプリも多く販売されているためサプリから摂取するのも良いでしょう。

ビタミン
ビタミンはいくつかありますが、その中でもむくみの改善に効果が期待できるのはビタミンB群です。
ビタミンB群とは、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、ビオチンの8種類のことです。
このビタミンはそれぞれがバランスよく働くことによって体の代謝をよくする働きをします。
脂質や糖質の代謝にも役立ち、血流も良くなるのでむくみの解消につながります。
ではそのビタミンB群のそれぞれの役割とビタミンB群を多く含む食材をみていきましょう。

ビタミンB1
炭水化物などの糖質が分解されエネルギーとなる過程で必要となります。ビタミンB1が不足すると糖質がエネルギーに変えることができません。エネルギーが不足すると精神が不安定になったり、力が出ず頭も働かず集中力もなくなります。余分に摂取したビタミンB1は尿と一緒に排泄されるので過剰摂取による副作用はありません。
ビタミンB1が多く含まれる食材として豚肉やうなぎがあげられます。

ビタミンB2
脂質の代謝に使われることが多いので、脂質を過剰に摂取すると不足がちになります。過酸化脂質を防ぐのもビタミンB2の役割とされています。不足すると皮膚や粘膜に異常をきたします。目の充血、肌荒れ、脂漏性皮膚炎、口内炎などを起こします。
ビタミンB2を多く含む食材としてレバー類やうなぎがあげられます。

ビタミンB6
タンパク質の代謝に欠かせないのがビタミンB6です。タンパク質はアミノ酸に分解され、必要なかたちで再合成されます。皮膚や歯、髪の毛の健康や成長に関わっています。不足すると皮膚炎や口内炎、湿疹などの症状があらわれます。
ビタミンB6を多く含む食材としてカツオ、マグロ、秋刀魚、牛レバーがあげられます。

ビタミンB12
ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球が正常に分化するのを助ける役割を持っています。これらの栄養素が不足すると造血がうまくいかず貧血をおこします。ビタミンB12が不足して貧血がおこると目まいや倦怠感、動機や息切れがおこります。
ビタミンB12を多く含む食材として牛レバー、鶏レバー、カキ、サンマなどがあげられます。

葉酸
葉酸は細胞分裂に重要な働きをします。赤血球が作られる際にビタミンB12とともに働いて造血を助けます。葉酸が不足すると赤血球が正常に作られなくなり貧血になります。葉酸を働かせるにはビタミンB12と一緒に取ることが重要です。
葉酸を多く含む食材としてレバー類、ほうれん草、枝豆などがあげられます。

ナイアシン
ナイアシンは脂質や糖質、タンパク質などの代謝の補酵素として働きます。血行をよくする効果もあります。アルコールに含まれるアセトアルデヒドの分解にも欠かせない栄養素です。
ナイアシンを多く含む食材としてカツオ、レバー類、落花生などがあげられます。

パントテン酸
パントテン酸はストレスへの抵抗力をつけるのに欠かせない成分です。自然植物の中に含まれている栄養素で、腸内細菌によっても合成されるので欠乏することはありませんが、アルコールやカフェインを取ると消耗されやすいので毎日摂取しましょう。
パントテン酸を多く含む食材としてレバー類、鶏もも肉、納豆などがあげられます。

ビオチン
ビオチンも他のビタミンと同様、糖質、脂質、タンパク質の代謝を助け体内でアミノ酸からブドウ糖を作るのに必要な栄養素です。ビオチンが不足すると湿疹や脂漏性皮膚炎、吐き気や嘔吐などの症状が出る場合もあるので注意が必要です。
ビオチンを多く含む食材としてレバー類、卵、イワシなどがあげられます。

ビタミンB群は水溶性ビタミンと言われており、熱や水に弱い性質を持ちます。加熱し過ぎたり水に長時間浸しておくのは避けたほうが良いでしょう。これらのビタミンをバランスよく取ることによってむくみの解消はもちろん、健康的な食生活も身につきます。この機会に一度自分の食生活が偏っていないかたしかめてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか。

冒頭でもお伝えしたようにむくみと一言にいっても原因は様々で、その対処法も様々です。

時には重大な病気が隠れていることもあります。

心配な方は自分でなんとかしようとせず一度専門家に診てもらうことも頭に入れておきましょう。

またむくみは正しい知識で正しいアプローチをすれば解消できるものもあります。

むくみが解消するだけで顔も体もスッキリし、見た目がガラッと変わります。

今回紹介したものをぜひ参考にして、運動やストレッチを取り入れたり食事を気をつけてみてください。

この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

ABOUTこの記事をかいた人

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パーソナルトレーニングジム「 The Body Professional 」を経営。小学生から高齢者まで年間延べ2000人のダイエットや体作りをサポート。ダイエットに成功する人が必然的にやっているルールを実践するだけで気付いた時には痩せている。そんな状態を作り出す『ベストスタイルダイエット』を全国に広めるために活動中。ブログ以外でもオンラインでダイエットサポート中。
◆柔道整復師 ◆鍼灸師 ◆パーソナルトレーナー