「今日はたくさん汗をかいたから痩せたはず」と思っている方は、もしかすると勘違いしているかもしれません。
汗をかくことと痩せることは、イコールではありません。
では汗をかくことはダイエットにおいて無意味かというとそうではありません。
汗をかくことは大切ですし、汗をから体の調子がわかったりもします。
この記事では、ダイエットと汗の関係について詳しくみていきたいと思います。
汗について理解を含めて、代謝をあげてダイエットを成功させてくださいね。
目次
汗ってなぜかくの?
答えからお伝えすると、汗は体温調節のための機能です。
汗をかけることで、長時間走ることを可能にしています。
これが汗をかけないと、熱が体内にこもりすぐにバテてしまいます。
汗は脳によってコントロールされています。
気温が上昇したときや運動をしたときは、体温や皮膚表面の温度が上がり汗を出すよう指令を出します。
それ以外にも汗は、緊張したときや興奮したときにもかきます。
人前でスピーチするときや好きな人と話すときに手足や脇に汗をかくという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは精神性な発汗で運動時にかく汗とは異なります。
汗の種類
汗は皮膚にある汗腺という器官から出てきます。
汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。
エクリン腺とアポクリン腺は、汗の性質や汗を出す仕組みが異なります。
エクリン腺
エクリン腺は全身のほとんどに分布していて、主に体温調節のために汗を出す汗腺です。
また分泌される汗は無味無臭です。
アポクリン腺
アポクリン腺は、脇や乳首周囲、肛門周囲に多く分布しています。
エクリン腺は皮膚に単体で存在していますが、アポクリン腺は毛根に開口しています。
アポクリン腺から出る汗は白っぽくて、タンパク質や脂質などニオイの元になる成分を多く含んでいます。
汗をかくタイミング
温熱性の汗
これははじめにお伝えしたように、体温調節をする際にかく汗のことです。
手のひらや足の裏には汗はかかず、それ以外の全身に汗をかきます。
暑いときや、運動をしたときにかく汗です。
温熱性の汗はエクリン腺から分泌されます。
精神性の発汗
ストレスや緊張したときや興奮したとき、驚いたとき、焦ったときなどにかく汗です。
冷や汗なんて言い方もされますよね。
汗は手のひらや足の裏、脇など限られた部位です。
精神性の汗はエクリン腺、アポクリン腺の両方から分泌されます。
味覚性の発汗
カレーに入っている香辛料やトウガラシなどが入った食べ物を食べるとかく汗のことです。
おでこや鼻周りなど、顔にかくことが多いです。
味覚性の汗はエクリン腺から分泌されます。
汗のタイプ
汗のタイプには健康な汗と不健康な汗の2種類あります。
健康な汗
汗をかくことで不要な水分を排出できることが理想です。
健康な汗はさらさらしていて、無味無臭ですぐに乾きます。
不健康な汗
不健康な汗の中には、痩せるのに欠かせないミネラルや塩分が一緒に排出されてしまします。
これは汗腺が正常に機能していない証拠です。
不健康な汗はベトベトしていて、塩分が多いのでしょっぱかったり臭いもあります。
体温調節もうまくできないため注意が必要です。
汗腺を正常に機能させるには
運動をする
普段、運動もしない外出もほとんどしない、仕事はデスクワーク、などの環境にいると汗をかく機会がなくなります。
そうすると汗腺の機能は低下してしまいます。
筋肉などと同じですね。
使わないものは要らないものとみなされてしまうのです。
ですので、定期的に汗をかく程度の運動をするのがおすすめです。
体を動かすことで、ダイエット効果も期待できますし汗腺を正常に機能させることにも繋がります。
ストレスを発散する
ストレスを溜めることは、体にとって良くありません。
ストレスを溜めると精神的に不安定になったり、常に興奮状態になったりします。
自律神経が乱れる原因にもなるので注意が必要です。
自分なりのストレス発散法を見つけておきましょう。
お風呂に浸かる
お風呂に汗をじんわりかくまで浸かるのもいいでしょう。
お風呂はリラックス効果もあるので、ストレスの発散や自律神経を整える面でも効果的です。
普段、シャワーだけで済ますという方は汗腺の機能が低下している恐れがあるので要注意です。
汗をかいても痩せないの?
普段から汗をよくかく人やほとんど汗をかかない人、歳とともに汗をかきにくくなってきた人などいろんな方がいますよね。
冒頭でもお伝えしたように、汗をかくことと痩せることはイコールではありません。
汗をかきにくくても痩せる人もいれば、汗かきでも痩せにくい人もいます。
サウナや岩盤浴の後で体重が落ちるのは、一時的に体の水分が抜けて体重が落ちただけにすぎません。
痩せるというのは、脂肪が燃焼されて体重が落ちるというのが理想です。
しかし汗をかくことが痩せることに直結しないといっても、汗は余分な水分の排泄を行う大切な役割をします。
人間の体の70%は水分でできています。
ですので、体内の水分を常に代謝させることはとても大切です。
汗をかくのは無意味なの?
ダイエットにおいて汗をかくことは無意味とは言いませんが、あまり汗の量を気にし過ぎなくてもいいでしょう。
何度もお伝えするように、あくまでも汗は体温調節のためにかきます。
ですので汗をかいて痩せるために運動したり、サウナや岩盤浴、ホットヨガなどに行っても効果的とはいえません。
しかし汗をかくくらいの運動を行うことは大切ですし、汗をかくということは正常に汗腺が働いている証拠でもあります。
また汗は自律神経やホルモンバランスの影響も受けるので、そういった意味では運動量や運動強度の把握、健康状態をチェックするという意味では意識していいでしょう。
汗をかいて老廃物を出すのはウソ?
汗には老廃物を排出すると考えられてきましたし、考えている方も多いようですが、実は最近の研究でこれはあまり効果がないことが実証されています。
老廃物や有毒物質を排出するのは腎臓と肝臓です。
汗の成分の大部分は水とミネラルで、老廃物も含まれますが、ごくわずかなようです。
カナダのオタワ大学の運動生理学者であるパスカル・インベルト氏は「1日の2ℓの汗をかいても、汚染物質は0.1ナノグラム以下しか含まれていない。」と言っています。
これには1日に45分の運動も行って、かいた汗も含まれています。
せっかく2ℓの汗をかいても、わずか0.1ナノグラムの汚染物質の排出しかできないと考えると、ほとんどないに等しいくらいです。
デトックス効果をうたったビジネスも多いですが、科学に基づいたものではないということを理解しておきましょう。
ですので汗をかくことにデトックス効果があるというのは、現在の常識ではないということです。
まとめ
汗についてご理解いただけたでしょうか。
汗は体温調節を行うための機能ですので汗をかいて痩せる効果はありません。
またデトックス効果もそれほど期待できませんので、それらの効果を期待して汗をかくためにサウナや岩盤浴、ホットヨガなどに通っているという方はこの機会に知っておいてくださいね。
しかし汗から得られる情報は多く、
・自律神経が正常に機能しているか
・汗腺は正常に働いているか
・水分の代謝は正常に行われているか
などを知ることができます。
ダイエット目的であれば、運動する中でしっかり健康的な汗をかけることが大切です。
ぜひ健康的な汗をかいて、代謝のいい健康的な体を手に入れていただければと思います。